クチュール モザイク

ただぼんやりと座って、自分が何者であるかを誰かが代弁してくれるのを待っているだけではだめ。文字に起こし、絵で表現し、実行することが大切なのです」– フェイス・リングゴールド。

70年近くもの間、アフリカ系アメリカ人のアイデンティティとジェンダー不平等に対する認識に異議を唱え、働きかけてきたアーティストでありフェミニスト、活動家、そして教育者であるフェイス・リングゴールド。

2024-2025年秋冬 オートクチュール コレクションショーの舞台を飾るのは、彼女の象徴的な代表作の数々を集めたインスタレーションです。政治的メッセージが込められたポスター作品《Freedom Woman Now》と《Woman Free Yourself》、《Windows of the Wedding #1: Woman》、そして、ロサンゼルス市内を走る地下鉄のシビックセンター駅構内に描かれている作品群が再現されました。シビックセンター駅の作品は、開催間近のパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会をオマージュしたもの。

マリア・グラツィア・キウリとフェイス・リングゴールドとの間に生まれた独創的な対話の根底には、女性のエンパワーメントという本質的なテーマが流れているのです。

 
*マリア・グラツィア・キウリは、2022年にニューヨークのニュー・ミュージアムで開催されたフェイス・リングゴールドの回顧展を機に、観る者の目を惹きつける彼女の作品について理解を深めていきました。

メイキング

© Melinda Triana